住宅設備の故障で家賃が減額?知っておくべき2020年の改正民法

設備故障 家賃 減額 

2020年をめどに施行される民法の改正。この改正では、賃貸物件の入居者にとって、非常に大切な内容が盛り込まれています。

中でも、住宅設備が壊れた際に家賃が減額する条項などは、知っておいて損はありません。

そこで、2020年の改正民法で賃貸住宅に関わる4つのポイントを、今回はご紹介します。

約120年ぶりの改正?

2017年の5月、企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する改正民法が、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立しました。

これは民法制定以来、約120年ぶりの債権部分の抜本的な見直しにあたります。

この改正は、2020年をめどに施行の予定が立てられており、賃貸住宅で言えば「退去時の敷金の返還ルール」を明確に設けるなど、生活に密着した改正が多いことが特徴とされています。

【賃貸】敷金・原状回復のルールが2020年に法律として明文化?

改正民法で賃貸住宅に関わる4つのポイント

改正民法で私たちの住環境に大きく影響してくるのは、以下の4つです。

  1. 住宅設備の故障による家賃の減額
  2. 敷金の返済義務の定義
  3. 個人補償の限度額の設定
  4. 借主が行った修繕の貸主の費用負担

それぞれ細かく見ていきましょう。

①住宅設備の故障による家賃の減額

例えば、エアコンなどの設備が故障して使用できなくなった場合、それが借主の責任で壊れたのではない時(通常に使用していて動かなくなった等)は、支払っている賃料は使用できなくなった部分の割合に応じて減額されます。

この住宅設備の故障による家賃の減額は、改正前までは入居者からの減額請求がなければ対応されませんでした。改正後は、入居者からの減額請求がない場合でも、故障して通常使用できないことをオーナーや管理会社が知った段階で、適切に家賃を減額しなけえばなりません。

日本賃貸住宅管理協会では、すでに2004年に家賃減額と免責日数に関する目安を策定しています。どの程度の減額がなされるかは、以下の通りです。

賃料減額と面積日数の目安一覧

状況 賃料の減額割合(月額) 免責日数
トイレが使えない 30% 1日
風呂が使えない 10% 3日
水が出ない 30% 2日
エアコンが作動しない 5,000円 3日
電気が使えない 30% 2日
テレビ等通信設備が使えない 10% 3日
ガスが使えない 10% 3日
雨漏りによる利用制限 5~50% 7日

上記の賃料の減額割合や免責日数は、新法施行に合わせて改定される予定となっています。

②敷金の返済義務の定義

新法621条「賃借人の原状回復」で、賃貸物件の通常使用や経年劣化による損傷を貸主が負担することが明文化されました。

現状では、国土交通省が出している原状回復ガイドラインが基準とされており、このガイドラインの内容が法律で定められるようになるのです。

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③個人個人の限度額の設定

新法465条の2「個人保証人の責任」で、個人の連帯保証人が今まで以上に法律によって守られるようになります。

賃貸借契約において連帯保証人は、将来発生し得る賃料のほか、借主が物件を損傷させた場合の損害賠償など、そういった責務を保証するような契約になっています。この「保証」について、民法改正後は保証の限度額(極度額)を契約書類に定めておかなければ、無効となります。

要はオーナーや管理会社は、何か起こった際の保証金額を「賃料の○○ヶ月分」や「金○○円を限度として、保証する」といった文言を加えて、契約書類を作ることが必須となってくるのです。

これにより、保証金額が定められることで、消費者が不当な金額を請求されるリスクがなくなるわけですね。

④借主が行った修繕の貸主の費用負担

部屋の修繕は基本的に貸主が負担するものです。クロスやフローリングの張替え、壊れたドア付け替えなどがわかりやすい例ですね。

こういった修繕は、一般的に貸主の判断によって修繕範囲や費用が見繕われるため、壊れた箇所が出た場合には、借主はまずは貸主に連絡する流れになっています。そのため、賃借人が必要費を支出した場合に賃貸人(貸主)に「修繕を請求できる」ぐらいにしか定められていません。

しかも、賃借人が修繕を行なった場合には賃貸人へ「費用を請求できる場合がある」とあくまでも賃貸人主体なもののため、賃借人の修繕の権利自体は認められていませんでした。

これが民法の改正によって、賃借人(借主)によって修繕しても良い場合が明記され、修繕への権利が明確になったのです。

ただし、原則として修繕はやはり賃貸人の義務になるため、賃借人が例外的に修繕の権利を有するのは、以下のケースに限られます。

  1. 賃借人が賃貸人へ事前に通知して、修繕が必要であることを知ったにもかかわらず、相当な期間内に修繕しない場合
  2. 急迫の事情があるとき

とはいえ、賃借人にも一定の範囲で修繕の権利が法律として認められたのは大きなことでしょう。

修繕とは

「建築物のある部分をほぼ同じ材料を用いて、同じ形状・同じ寸法でつくり替え、性質や品質を回復させる工事」のこと

賃貸借契約書はしっかりと理解しておこう!

改正民法によって、賃貸借契約書の内容も少なからず変化する部分が出てくるかと思います。大切なのは、契約の際に契約書の内容をしっかりと理解しておくことです。

不動産関係の法律は、難しくてややこしいものばかりではありますが、おさえるところはしっかりとおさえておきましょう。

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